ライオンのあくび ニールヤングやBECKやベンハーパーなんかの音楽の玄人が肩の力を抜きつつ時間をかけて余裕しゃくしゃくに作り上げるようなグルーブが鳴っている。これまで、日本において回り車のハムスターやバンビのダンスのように汗水たらして精一杯やり切って汗が飛び散るロックンロールは無数に存在したけれど、まるでライオンのあくびのように獣が見せる余裕を聴かせる音楽は少なくとシーンの最先端に存在することはなかった。見渡せばナンバガもミッシェルもいなくなり、翌年にはスーパーカーもいなくなる状況下で、2000年代前半に魔法がかかったように名曲を生み出し続けたくるりが最も脂がのっていたのはおそらくこの時期。

これぞロックだ!! とにかくとにかく「ロックンロール」のビートがかっこよすぎ。 そしてそこに乗っかってくる岸田氏の声も柔らかくて優しい。 演奏が卓越しているということは素人の自分でもわかりますが、本当にギターの音色が綺麗(バンドワゴン等)。そして心音を思い起こすドラム。すべてが魅力です。 その中でもオススメ、ロックンロールを是非視聴してみてください!

空中線 この作品は、くるりで一番好きなアルバム。毎回なんらかの変化が見られる彼らのアルバムだが、今作は最も充実した内容に感じる。 「NIKKI」の方が華のあるアンセムを奏でているのは確かだが、好きな曲以外は聴かないシングル集のような感覚を覚えてしまう。 それに対し、今作は、1曲1曲の構成が独特で起伏があるのだが、違和感なく最後まで聴ける。 これは、くるりが元々持っていた多面性と、アルバムの統一感が両立出来ているからだと考えられる。 「TEAM ROCK」にも同じ事が言えると思うのだが、今作の方が好きな理由はロックンロールという曲がくるり史上最高のアンセムだと思っているが所以である。

落ち着くアルバム ストリングスを用いた曲のグッドモーニングからはじまり、心に突き刺さるロックチューンナンバーのHow to Goまですべてぶれることのないこのアルバムの構造に私は魅せられました。Raceはくるり特有の古々しい情緒溢れる歌詞と独特かつメロディアスな曲調がたまりません。出だしのリフも、なんとも岸田さんらしくてたまりません。黒い扉はとても幻想的で、この曲の持っている世界観に引き込まれていくようで、なんだかすごく心地の良い曲です。それからこのアルバムは寝る前に聞くのが、私的にはお勧めです。この落ち着いた雰囲気に浸って眠るといい感じです。

振りぬくこと くるり史上最高のソリッドなロックアルバムです。 しかしなぜか、このアルバムは音に迷いが感じられます。 バンド結成から現在まで、方向性の「迷い」が売りの くるりですが、方向性ではなく音が迷ってる、と感じられる 唯一のアルバムで、非常に面白い作品です。 グローバルとアンダーグラウンドの間で常に揺れ動く、 そんな魅力がこのアルバムには詰まっていると思います。

外人ドラマーは何処へ?? 「ロックンロール」がこの先10年は語り継がれるだろう偉大な曲になりえたのは、偏にドラムの凄さがあったからだろうと思います。他のレビューでもありますが、私も好きです、このドラム。一言でいうなら「日本人には叩き出せないグルーヴ」とでも言いましょうか、もしこれが日本のスタジオミュージシャンが叩いていたら、たとえ百戦錬磨のドラマーでも凡作になっていたでしょうね。バスドラのタイミング、スネアのアタック感、私はこのドラムだけでどんぶり三杯はイケちゃいます笑。

ロックンロール 混沌としたアルバム。くるりにどこかしら、たまのエッセンスも入っているんじゃないかと思っていたのですが、黒い扉を聴いて真っ先に「どんぶらこ」が浮かびました。ほんとに、引き出しの多いバンドです。How to Goでのクリストファーの叫びと、打ち込みだったドラムが完成された音になっているのを聴いた瞬間、いいバンドになったなぁと思いました。多くの方に聴いてほしいです。

クリストファーが好きだった。 くるりの最大の魅力は岸田君の世界観なんだと思う。 それをどれだけ魅力的に押し出していくか?と言うところにあって、クリストファーのドラムってのは最高だったと個人的には思っている。 だからといって今のくるりがダメな訳じゃない。 でも、カウントの時に「rock'n'roll!」とか素で言えちゃうキャラは必要だった気がする。 ベタな言い方だけどグルーブが最高なアルバムだと思う。